訪問介護で頼めること・頼めないこと|断られる理由と3つの見分け方 2026 8/21 column ※本記事は2026年8月時点の制度に基づいています。 ヘルパーに何かを頼んで、「それはできないんです」と言われた経験はありませんか。頼んだ側は気まずくなり、次から何を頼んでよいか分からなくなります。断られるのには理由があります。その理由が分かると、頼める用事と頼めない用事に自分で見当をつけられるようになります。 この記事の要点 訪問介護でできることは、身体介護と生活援助が柱です。このほかに通院のための乗り降りの介助があります 断られやすい家事は、国の通知で3つの類型に整理されています 頼めなかった用事にも、保険外サービスや地域の窓口という受け皿があります 目次訪問介護でできることは?身体介護と生活援助が柱です 訪問介護とは、ホームヘルパーが自宅を訪問して、身体介護と生活援助を行う介護保険のサービスです。 このほかに、通院のための乗り降りの介助が別の区分として設けられています。身体介護と生活援助に何が含まれるかは、国の通知で定められています。「訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について」(平成12年3月17日 老計第10号)がその通知です。事業所が独自に決めているわけではありません。 身体介護:直接触れて行う介助が中心です 身体介護は、利用する方の体に直接触れて行う介助が中心です。食事の介助、入浴や清拭、排泄の介助、着替えの手伝い、体位の変換、通院に付き添うための移動の介助などが含まれます。 見落とされやすいのが「見守り的援助」です。ヘルパーがすべてを代わりに行うのではなく、本人ができる部分は本人が行い、危ないところだけ手を添える支援を指します。一緒に調理をする、隣を歩いて転倒を防ぐ、といった形です。何もしていないように見えて、これも身体介護に位置づけられています。 生活援助:日常の家事の支援 生活援助は、掃除、洗濯、調理、買い物、薬の受け取りなど、日常生活に必要な家事の支援です。本人が自分で行うことが難しく、家族による支援も受けられない場合に使えます。 生活援助が使える範囲は「本人が日常生活を送るために必要な家事」です。この一文が、後で説明する「できないこと」の線引きにそのまま効いてきます。 通院のための乗り降りの介助 通院等乗降介助は、指定訪問介護事業所の車両を用いて通院する際に、乗車・降車の介助や、その前後に必要となる移動・移乗の介助などを行う区分です。利用できる条件や、身体介護として扱う場合との区別があるため、利用を考えている場合はケアマネジャーや事業所にお尋ねください。 病院内での付き添いは、原則として介護保険の対象外です。院内は病院のスタッフが対応する前提になっているためです。ただし、病院のスタッフでは対応が難しく、本人の状態から院内での介助が必要と確認された場合には、ケアプランに位置づけたうえで認められることがあります。取扱いは市区町村によって異なります。 サービスの全体像については、訪問介護とは?サービス内容と利用できる人をわかりやすく解説で詳しく解説しています。 訪問介護でできないことは?断られるのには理由があります 断られる用事には共通点があります。 手がかりになるのは国の通知です。「指定訪問介護事業所の事業運営の取扱等について」(平成12年11月16日 老振第76号)です。この通知の別紙は、一般に介護保険の家事援助に含まれないと考えられる事例を挙げています。大きく分けると3つの類型です。いずれも生活援助にあたる家事についての整理で、医行為はこれとは別に、資格と体制の要件で線引きされます。 直接、本人の援助にあたらない行為 主に家族の都合のための行為や、家族が行うのが適当と判断される行為です。通知には次の例が挙げられています。 利用者以外の方に関する洗濯、調理、買い物、布団干し 主に利用者が使う居室以外の掃除 来客の応接(お茶や食事の手配など) 自家用車の洗車や清掃 同居している家族の分の食事を作る、家族の洗濯物を一緒に洗う、来客にお茶を出す。断られやすいのはこの類型です。訪問介護は、利用する本人の生活を支える制度だからです。 家族の分まで頼めないのは、ヘルパーが手を抜いているからではありません。制度がそう定めているためです。 ヘルパーが行わなくても、日常生活に支障が生じない行為 通知に挙げられているのは、草むしり、花木の水やり、犬の散歩などペットの世話です。 本人にとって大切な用事であっても、それが止まったことで日々の暮らしが立ちゆかなくなるとは言えない。そう判断される行為が、この類型にあたります。 日常的に行われる家事の範囲を超える行為 通知には次の例が挙げられています。 家具や電気器具の移動、修理、模様替え 大掃除、窓のガラス磨き、床のワックスがけ 室内外の家屋の修理、ペンキ塗り 植木の剪定などの園芸 正月や節句のために特別な手間をかけて行う調理 毎日の暮らしを回すための家事とは、手間も頻度も違うと整理されています。 医行為にあたるもの 一定の行為は医行為から除外されており、条件を満たせばヘルパーも行えます。何がそれにあたるかは国の通知で定められています。一方で、注射や床ずれの処置などの医行為は行えません。 喀痰の吸引と経管栄養は、条件を満たした場合に限り行えます。行えるのは、喀痰吸引等行為の登録を受けた介護福祉士か、認定特定行為業務従事者として都道府県知事の認定を受けた介護職員等です。あわせて、所属する事業所が登録喀痰吸引等事業者であることも必要になります。そのうえで、医師の指示と看護職員等との連携の下で実施します。研修を修了しただけで実施できるわけではなく、いくつもの条件が必要です。 できる・できないの境目は?迷ったときの3つの問い 一覧を覚えなくても、3つの問いに当てはめれば見当がつきます。 これまで挙げた「頼めない家事」は、次の3つの問いのどれかに引っかかります。 その用事は、本人が暮らし続けるために必要か 食事、入浴、排泄、洗濯、掃除は、止まると生活が立ちゆかなくなります。一方で庭木の剪定は、しばらく手を付けなくても暮らしは続きます。この差が、制度上の線引きの土台です。 その用事は、本人以外の人のためのものになっていないか 同じ「掃除」でも、本人が使う部屋なら対象、家族だけが使う部屋なら対象外です。同じ「調理」でも、本人の分は対象、家族の分は対象外です。誰のための作業かで結論が変わります。 その用事は、ふだんの家事の範囲を超えていないか 同じ「掃除」でも、日常的な掃除は対象、大掃除やワックスがけは対象外です。手間と時間が日常の家事の域を超えるものは、別のサービスの領域と整理されています。 この3つで判断がつかない用事もあります。その場合はケアマネジャーに聞くのが早道です。訪問先のヘルパー個人が決められることではなく、ケアプランへの位置づけや事業所の体制、必要に応じて市区町村の取扱いまで含めて確かめる必要があるからです。 同居家族がいると生活援助は頼めない?条件つきで使えます 同居している家族がいる場合、生活援助が自動的に使えるわけではありません。家族等が障害や疾病その他のやむを得ない事情で家事を行うことが難しい場合に限って利用できます。 判断の対象になるのは同居家族がいるかどうかではなく、その家族が実際に家事を行える状態にあるかどうかです。厚生労働省は2007年12月20日の事務連絡で、同居家族がいることのみを理由に一律に不可とする取扱いは適切でないと示しています。 家族が病気や障害を抱えている場合、仕事で日中いない場合、高齢で家事が難しい場合。こうした事情があるときは、生活援助が認められることがあります。なお、具体的な取扱いは保険者である市区町村によって異なります。 大切なのは、ケアプランや訪問介護計画に位置づけられているかどうかです。そこに入っていない用事を、その場で追加して介護保険のサービスとして提供できるとは限りません。必要な事情があるなら、まずケアマネジャーに伝えてください。計画への位置づけを、事業所とともに検討してもらえます。 「同居しているから無理だろう」と自分で判断して相談をやめてしまうと、使えたはずの支援に届かないままになります。 頼めなかった用事はどこに相談する?保険外サービスと地域の窓口 介護保険で頼めない用事にも、受け皿があります。 制度上、訪問介護と保険外のサービスを組み合わせて提供することは認められています。2018年9月28日の国の通知に、その例が示されています。訪問介護の前後や合間に、草むしりやペットの世話を保険外として提供する形です。同居家族の部屋の掃除や、家族のための買い物も同様です。 ただし無条件ではありません。利用するかどうかを本人が選べること、介護保険の部分と保険外の部分を内容・時間・料金で明確に分けることが前提になります。対応の可否と料金は事業所ごとに異なるため、事前の確認が必要です。 保険外(自費)のサービス 介護保険を使わず、全額自己負担でサービスを受ける方法です。介護保険の枠に縛られないため、頼める内容の幅が広がります。料金や対応できる内容は提供元によって異なります。介護保険を使う場合の費用については、訪問介護の費用と自己負担額で詳しく解説しています。 地域のサービスや窓口 シルバー人材センターや民間の家事代行が、草むしりや大掃除に対応している場合があります。買い物や配食など、自治体が用意している高齢者向けの支援もあります。内容や対象は自治体によって異なります。 足立区にお住まいの方の相談先は、地域包括支援センターです。綾瀬、東綾瀬、谷中、東和一丁目と三丁目を担当しているのは「地域包括支援センター東和」です。電話番号は03-5613-1200、窓口の受付は月曜から土曜の9時から17時です。介護保険の手続きに関することは、足立区介護保険課保険給付係(03-3880-5743)でも相談できます。足立区での申請から利用開始までの流れは、足立区で訪問介護を利用するには?申請から利用開始までの流れで詳しく解説しています。 ケアマネジャーへの伝え方 「これは頼めますか」と聞くより、「こういうことに困っています」と状況を伝えるほうが話が進みます。用事の可否を尋ねると答えは○か×になりますが、困りごとを伝えると、別の手段を含めて一緒に考えてもらえるためです。 「こんなこと頼んでいいのかな」と迷ったときは 頼んでよいか分からず、結局自分で片づけている。そういう方は少なくありません。遠慮の理由はたいてい、断られたときに気まずくなるのが嫌だから、あるいは「文句を言っている」と受け取られたくないからです。 ヘルパーやケアマネジャーの側から見ると、聞いてもらえたほうが助かります。できない用事だとしても、なぜできないのかを説明できますし、代わりの手段を探すきっかけになります。何も言われないままだと、困っていること自体が分かりません。 断られたときのやりとりも、少し見え方が変わるかもしれません。目の前のヘルパーが決めているのではなく、国が定めた区分に沿って動いています。断りたくて断っているわけではない、という前提で聞いてみると、次の相談がしやすくなります。 足立区・葛飾区の訪問介護なら介護ステーションコスモス 介護ステーションコスモスは2005年に創業し、足立区・葛飾区で訪問介護を行っています。事業所は足立区東綾瀬1丁目3-6にあります。 スタッフには近隣にお住まいの方が多く、地域の事情を知ったうえでご自宅にうかがえるのが特徴です。 「これは頼めるのだろうか」という段階のご相談も承ります。受付は月曜から土曜の9時から18時、電話番号は03-5697-5440です。 よくある質問 ヘルパーに、同居している家族の分の食事も作ってもらえますか。 生活援助は本人のための家事が対象のため、家族の分の調理は含まれません。ただし、介護保険とは別の保険外サービスとして依頼できる場合があります。 庭の草むしりや大掃除は頼めますか。 草むしりや大掃除は、日常的な家事の範囲を超える行為として生活援助に含まれません。保険外サービスやシルバー人材センターなどが受け皿になります。 同居している家族がいると、生活援助は使えませんか。 同居家族がいても自動的に使えるわけではなく、家族等が障害や疾病その他のやむを得ない事情で家事を行うことが難しい場合に限って利用できます。同居家族がいることだけを理由に一律に不可とすることはできないため、家族の就労や病気などの事情がある場合は、ケアマネジャーにご相談ください。 頼めるかどうか分からない用事は、誰に聞けばよいですか。 ケアプランを作成するケアマネジャーが窓口になります。用事の可否ではなく、困っている状況を伝えると、代わりの手段も含めて検討してもらえます。 まとめ 訪問介護でできることは、身体介護と生活援助が柱で、これに通院のための乗り降りの介助が加わります。頼めない家事とされているのは3つでした。直接本人の援助にあたらない行為、ヘルパーが行わなくても支障が生じない行為、日常的な家事の範囲を超える行為です。医行為は、これとは別の線引きになります。 この線引きは事業所が決めたものではなく、国の通知に沿ったものです。断られた用事は、ここで挙げた3類型に当てはまることがあります。このほか、計画への位置づけや本人の状態、事業所の体制によって、その場では引き受けられない場合もあります。 そして、頼めなかった用事にも受け皿があります。保険外サービス、地域のサービス、自治体の支援。ひとつの窓口で断られても、そこで終わりではありません。まずはケアマネジャーか地域包括支援センターに、困っている状況を伝えてみてください。 足立区・葛飾区の訪問介護のご相談 「これは頼めるのだろうか」という段階のご相談も承ります。ご家族からのお問い合わせも受け付けています。 お問い合わせフォームへ お電話でも受け付けています03-5697-5440受付:月曜から土曜の9時から18時 介護ステーションコスモスでは、一緒に働くスタッフを募集しています。 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