訪問介護と訪問看護の違い|どちらを頼む?判断の目安と併用

※本記事は2026年9月時点の制度情報に基づいています。

「退院後は訪問看護も検討しましょう」。病院の相談員からそう言われて、その場では頷いたものの、訪問介護と何が違うのか分からないまま帰ってきた。そんな経験をお持ちの方は少なくありません。

ふたつは名前が似ていて、よく混同される制度です。違いが分からなくて当然といえます。

この記事では、訪問介護と訪問看護の違いを一覧表で確認します。そのうえで、どちらを頼めばよいかの目安と、併用のしくみまで説明します。

この記事の要点

  • 訪問介護はヘルパーによる暮らしの支援、訪問看護は看護師による療養の支援
  • 要介護認定を受けている方は、どちらも原則として介護保険で利用できる
  • ふたつは併用できる。迷ったときは、まずケアマネジャーに相談できる
目次

訪問介護と訪問看護は何が違う?5つのポイントを一覧表で確認

訪問介護は「暮らしの支援」、訪問看護は「療養の支援」です。来る人と目的が違います。

訪問介護とは|ヘルパーによる暮らしの支援

訪問介護とは、訪問介護員(ホームヘルパー)が自宅を訪問し、日常生活を支える介護保険のサービスです。

内容は大きくふたつに分かれます。食事・排泄・入浴などの介助を行う「身体介護」と、掃除・洗濯・買い物・調理などを行う「生活援助」です。(出典:厚生労働省「介護サービス情報公表システム」訪問介護)

ヘルパーは、介護福祉士や、介護職員初任者研修などの研修を修了した職員が務めます。

目的は、住み慣れた自宅での暮らしを続けられるように支えることです。

訪問看護とは|看護師による療養の支援

訪問看護とは、看護師などが自宅を訪問するサービスです。主治医の指示に基づいて、療養上の世話や診療の補助を行います(出典:同システム「訪問看護」)。

血圧・体温の測定や病状のチェック、床ずれ(褥瘡)の処置、医療機器の管理などを行います。

リハビリの専門職(理学療法士など)が訪問する場合や、在宅での看取りに対応する事業所もあります。

サービスを行うのは、訪問看護ステーションまたは病院・診療所です。

ひと目でわかる5つの違い

訪問介護訪問看護
訪問する人ヘルパー(介護福祉士・初任者研修修了者など)看護師など
主な内容身体介護・生活援助病状のチェック・処置・リハビリ
目的日常生活を支える療養生活を支える
医師の指示書不要必要(訪問看護指示書)
利用の入口ケアプランに組み込む主治医の指示書(介護保険ではケアプランにも組み込む)

どちらも「自宅に来てくれるサービス」という点は同じです。違いは、暮らしを支えるのか、療養を支えるのかにあります。

料金はどう違う?使われる保険のしくみ

要介護認定を受けている方は、どちらも原則として介護保険です。自己負担は所得に応じて1〜3割です。

訪問介護は介護保険のサービス

訪問介護は、要介護1〜5の認定を受けた方が介護保険で利用します。

要支援の方は、市区町村が行う総合事業の訪問型サービスが対象になります。

利用者の自己負担は、所得に応じて費用の1〜3割です。

訪問看護は介護保険と医療保険に分かれる

訪問看護には、介護保険で利用する場合と医療保険で利用する場合があります。

要介護・要支援の認定を受けている方は、原則として介護保険が優先されます。認定を受けていない方は、医療保険で利用します。

認定を受けている方でも、次のような場合は医療保険での利用になります。

  • 末期のがんや一部の難病など、国が定める疾病等に該当する場合
  • 病状が急に悪化したときなどに、主治医から一時的に、頻繁な訪問看護の指示(特別訪問看護指示書)が出ている期間
  • 精神科の訪問看護を受ける場合(認知症を除く)

どちらの保険になるかは、認定の有無や病気の種類、主治医の指示の内容によって、制度上決まります。当てはまるかどうかは、主治医や訪問看護ステーション、ケアマネジャーが確認します。ご家族が自分で判断する必要はありません。

具体的な金額はケアマネジャーに確認を

自己負担の金額は、利用する時間・回数・地域によって変わります。

介護報酬の単価は全国一律ではなく、足立区・葛飾区には地域ごとの単価が適用されるためです。

正確な金額は、ケアプランを作る段階でケアマネジャーや事業所に見積もりを確認してください。

訪問介護の自己負担額の目安は、訪問介護の費用は月いくら?足立区の自己負担額と週2回・週3回の目安で詳しく説明しています。

ヘルパーと看護師、頼めることの境界線

注射や床ずれの処置などの医行為は、ヘルパーには頼めません。一方、体温測定や軟膏塗りなど医行為にあたらないとされる行為は、条件を満たせばヘルパーも行えます。

ヘルパーにお願いできないことの例

注射や点滴の管理、床ずれの処置といった医行為は、看護師の仕事です。

訪問介護でこれらをお願いすることはできません。

一方、国の通知(平成17年・厚生労働省医政局長通知)では、原則として医行為にあたらない行為が整理されています。

たとえば、体温計での体温測定や、自動血圧測定器での血圧測定です。軟膏を塗る(床ずれの処置を除く)、湿布を貼る、目薬をさすことも含まれます。1回分ずつ袋に分けた(一包化された)薬を飲む介助も同じです。これらはヘルパーが行えます。

ただし、条件があります。軟膏・湿布・目薬・飲み薬など薬を使う介助は、処方された薬に限られます。容態が安定していることなどを、医師や看護職員が確認している必要もあります。病状が不安定で専門的な管理が必要なときは、これらも医行為とされる場合があります。

境界に迷いやすいケース

爪切りは、爪やまわりの皮膚に異常がなければヘルパーが行えます。糖尿病などで専門的な管理が必要な場合は、医行為とされることがあります。その場合は看護師などの医療職が対応します。

薬は、飲む介助はヘルパーができますが、量の調整や注射はできません。

なお、たんの吸引などの一部の医療的ケアは、登録を受けた介護福祉士や、都道府県知事の認定を受けた介護職員なら行えます。所属する事業所も登録を受けている必要があり、研修の修了だけでは行えません。

「これはどちらに頼むこと?」と迷ったら、ケアマネジャーに相談してください。必要に応じて主治医や看護師に確認してもらえます。

詳しくは、訪問介護で頼めること・頼めないこと|断られる理由と3つの見分け方で説明しています。

どちらを頼めばいい?ケース別の目安

暮らしの手が足りないなら訪問介護、病状の見守りや処置が必要なら訪問看護が目安です。

訪問介護が合うケース

  • 食事の用意や掃除、買い物が難しくなってきた
  • 入浴やトイレにひとりでは不安がある
  • 一人暮らしで、日々の暮らしに手が足りない

このような「暮らしの困りごと」が中心なら、訪問介護が向いています。

訪問看護が合うケース

  • 退院したばかりで、傷や床ずれの処置が続いている
  • 在宅酸素などの医療機器を使っている
  • 病状の変化を定期的に見てもらいたい

「療養の見守り」が必要な場面では、訪問看護が力になります。

両方をすすめられたときの考え方

「訪問看護をすすめられた=状態がそれほど悪いのか」と受け止める方もいます。

そうとは限りません。ふたつの違いは状態の重さではなく、役割にあります。

処置や病状のチェックは看護師が、毎日の食事や入浴はヘルパーが。そんな役割分担で、在宅の暮らしを組み立てていきます。

訪問介護と訪問看護は併用できる?

併用できます。ケアプランにふたつを組み込み、役割を分担するのは在宅ケアでよくある形です。

ケアプランで両方を組み込むしくみ

介護保険では、ケアマネジャーが作るケアプランに、訪問介護と訪問看護の両方を組み込めます。

利用できる量には要介護度ごとの上限(区分支給限度基準額)があり、その範囲で組み合わせます。医療保険で利用する訪問看護は、この上限の対象外です。

訪問看護を加えるときは、主治医の訪問看護指示書が別途必要です。この手配もケアマネジャーが調整します。

1週間の組み合わせのイメージ

たとえば、月・水・金の午前はヘルパーが訪問し、入浴の介助と昼食の用意を行う。火曜の午後は看護師が訪問し、病状のチェックと床ずれの予防を行う。

こうした組み合わせは一例です。実際の回数や内容は、体の状態と暮らしに合わせてケアプランで決めていきます。

迷ったら誰に相談する?足立区・葛飾区での相談の入口

ケアマネジャーがいる方はケアマネジャーへ。まだ介護保険を使っていない方は、地域包括支援センターが入口です。

ケアマネジャーがいる場合

すでに介護保険を使っている方は、担当のケアマネジャーに相談してください。

サービスの追加や変更は、ケアプランの見直しとして進みます。主治医への指示書の依頼も、ケアマネジャーが橋渡しします。

まだ介護保険を使っていない場合

まずはお住まいの地域を担当する地域包括支援センターに相談します。

要介護認定の申請から利用開始までの流れは、足立区で訪問介護を利用するには?申請から利用開始までの流れで詳しく説明しています。

介護ステーションコスモスにご相談いただけること

介護ステーションコスモスは、2005年の創業から足立区・葛飾区で訪問介護を行ってきた事業所です。

訪問看護は行っていませんが、「どちらを頼めばいいか分からない」という段階のご相談は受け付けています。状況をうかがい、ケアマネジャーや地域の相談窓口へのつなぎ方もご案内します。

受付時間は月〜土9:00〜18:00です。

よくある質問

訪問介護と訪問看護は同じ日に利用できますか?

同じ日に利用できます。ケアプランに組み込まれていれば、午前にヘルパー、午後に看護師という組み合わせも可能です。

訪問看護を使うと費用は高くなりますか?

介護保険で利用する場合、自己負担は訪問介護と同じく所得に応じて1〜3割です。金額は時間や回数で変わるため、ケアマネジャーに見積もりを確認してください。

医師の指示書は家族が用意するのですか?

ご家族が書類を作る必要はありません。主治医が「訪問看護指示書」を交付します。介護保険で利用する場合は、依頼の流れをケアマネジャーが調整します。

訪問看護が始まったら、訪問介護は不要になりますか?

不要になるとは限りません。役割が違うため、暮らしの支援が必要なら訪問介護を続けながら訪問看護を加えるのが一般的です。

まとめ|違いがわかれば、選び方は難しくない

訪問介護はヘルパーによる暮らしの支援、訪問看護は看護師による療養の支援です。

要介護認定を受けている方なら、どちらも原則として介護保険で利用でき、併用もできます。

どちらを頼むか、ご家族だけで決める必要はありません。ケアマネジャーや地域包括支援センター、地域の事業所が一緒に考えます。

住み慣れたご自宅での暮らしを続けるために、まずは身近な窓口に相談してみてください。

足立区・葛飾区の訪問介護のご相談

「どちらを頼めばいいか分からない」という段階のご相談も承ります。ご家族からのお問い合わせも受け付けています。

お問い合わせフォームへ
お電話でも受け付けています
03-5697-5440
受付:月曜から土曜の9時から18時

介護ステーションコスモスでは、一緒に働くスタッフを募集しています。

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参考資料

  1. 厚生労働省「介護サービス情報公表システム」どんなサービスがあるの?(訪問介護/訪問看護)
    https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group2.html
    https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group4.html
  2. 厚生労働省 医政発第0726005号「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について」(平成17年7月26日)
    https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb2895&dataType=1&pageNo=1
  3. 厚生労働省「訪問看護のしくみ」資料
    https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/0000123638.pdf

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